「ったく… やっぱりお前は鈍感だよな」 なっ、わ、私のどこが鈍感なの!? さっきまで、中庭に咲く桜の中、 私と速水は駄弁っていた。 そしたら、速水がいきなり、 こう言い出した。 「お前、桜みたいに…可愛い」 で、意味が解らなくて、は?って 聞き返したら、さっきの台詞。 言い過ぎだよね、鈍感って。 「だーかーら… 逆に、なんで気づかねえの?」 なにに? 私はなにも… 「…俺が、琴音を好きだって事」