「ん…あれ…」


いつの間にか寝てしまっていたみたいだ。

あたりはもう真っ暗になっていた。


「やば、帰んなきゃ」



慌てて家に帰ると見慣れない運動靴があった。


「お兄ちゃん!?」

「おう、笑佳おかえりー」

「あら遅かったわねえ」



今は大学生で一人暮らしをしている兄が珍しく帰ってきていた。



「ただいまってゆーか、帰って来るなら言ってよねー!」

「なんでだよ、朝あったばっかだろ??」

「え?」


よく見てみると何故か学ランを来ている。



「何それ、コスプレとか流行んないよ」


「あー?お前頭大丈夫か?毎日見てんだろ?」



毎日見てる…?

てゆーか、よく見ると高校の時の制服…?



「ま、まさか…」


嫌な予感がして2階へ駆け上がる。


「ちょ、ちょっとー!笑佳ー!」

「先食べとくぞー!」


親達の声を無視して部屋に入ると鏡を取り出した。


「や、やっぱり…」


黒髪にショートボブ…

それは中1の頃のあたし、そのままだった…