冷酷な彼は孤独な獣医

そしてあたしも診察室へ入った。



龍はおばあさんを椅子に座らせると、

その向かいに座り、あたしは犬を抱いたまま龍の脇に立っていた。




するとおばあさんは、龍に深々と頭を下げる。



「本当にありがとうございます。

私は、4年前に主人を亡くしてから、

一人寂しく過ごしていまして、

そんな時友人に勧められてこの子を飼う事にしたんです。


それからは、この子のお陰で毎日が楽しくてアハハッ


それなのに昨日、うっかり玄関のドアを開けっ放しにしてしまっていて、

気が付いたらこの子がいなくなってしまってたんです。


でもこちらで預かってもらっていて、

本当に良かったです。

ありがとうございます」