冷酷な彼は孤独な獣医

涙で視界が歪む中、

震える声で龍の名前を呼んだ。


「龍……」


すると、風で揺れる木の音に紛れて声が聞こえてくる。



「ったく!泣き虫が!」



その声に振り返るとそこには、

呆れ顔であたしを見る龍の姿。



「龍……なんで……」


呆然とするあたしの脇に龍は立つ。


「俺が連れてきてやるって言っただろ。

なに勝手に一人で来てるんだよ」


「だって……」


龍は街の灯りに目を向ける。