冷酷な彼は孤独な獣医

「なんで居酒屋クビになったんだよ」


「酔っぱらいのおじさんが、

あたしの体に触って来て、

それで………

蹴ったの………」


「はぁ?蹴ったって……」


「だって涼太が、もしも触られたらそうしろって言ったから」


「なんだそれ?」


呆れた様な顔をする龍に、

あたしは泣きながら話した。



「ねぇ、龍………涼太はあたしの事好きじゃなかったのかなぁ?


あたしはただ、お金を払ってくれる人ってだけだったのかなぁ?


涼太はあたしの事、大切に思ってくれてなかったのかなぁ?」



あたしの質問に、龍は冷たい口調で返す。



「もう………終わった事だ。

そんな事、どうだっていいだろ」



龍はソファーから立ち上がると財布を手に取り、

あたしに500円を渡してきた。