冷酷な彼は孤独な獣医

電話を切るとすぐに、

裏の階段を上がってくる美紀さんの足音が聞こえてきた。


トントン


ノックの音にドアを開けると、

美紀さんが下を向いて立っている。


「ごめんね……」


そう言って、突然美紀さんは泣き出す。


「美紀さん、とりあえず上がって」


あたしは美紀さんの背中に手を添えると、

リビングのソファーへ座らせた。


美紀さんは、声にならない声で話す。


「あたし……バカだ……」


龍の兄に暴力を振るわれた事で、

あたしの中で、美紀さんに対する同情心が生まれた。


「美紀さん……」


あたしは美紀さんの背中を摩った。