冷酷な彼は孤独な獣医

あたしを大切に思ってくれている龍の気持ちが、

痛いくらいに伝わってくる。



「龍……」


「ん?」


「ごめんなさい……あたし……」


「大丈夫だよ」


やさしい龍の声が耳に届き、

あたしの気持ちは一気に満たされた。



でも、それと同時に、美紀さんの悲しい笑顔が頭に浮かぶ。


そして、罪悪感に似た感情が生まれた。


きっとそれは、あたしが美紀さんに嫉妬して、

それを龍にぶつけた事によって、

今の状況が生まれたからなのかもしれない。


そんなつもりじゃなかったけど、

美紀さんを利用して、

龍の気持ちを確認したみたいで……


でも……

もう、それ以上なにも考えないよ。


龍を感じている今、この瞬間、あたしは凄く幸せだから。