冷酷な彼は孤独な獣医

きっと、前のあたしは、

龍にこんな事を言われたら、

なにも言えずただ悲しい気持ちになっていたけれど、

今は違う。



「龍……?」


「…………」


「一回ずつ……一人ぼっちにならないでよ。

あたしが此処に……居るんだから」


「だったら黙ってそこに居ろ……」


龍は、テーブルに伏せたままで言う。


「龍……?」


「…………」


「あたしは、いつだって龍の味方だし、

龍の事を信じてるよ。


今日、龍はあたしのところに来てくれなかったけど、

それだって、それ相応の理由があっての事だったと思うし、

それに……龍を待っている間、凄くドキドキして、

少し照れくさくて……それが楽しくて!


だから、それだけで十分だったんだっ!」


あたしは、龍の背中に向かって、

精一杯の笑顔で話した。