冷酷な彼は孤独な獣医

龍は静かにそう言うと家に入っていく。


あたしはそれ以上なにも言えず、龍の後をついて行った。


部屋に入ると、龍は椅子に座りノートを開く。


でもすぐにノートを閉じ、龍はテーブルに伏せた。


初めて見る、龍のそんな姿にあたしは戸惑い、

龍の脇に立つ。


「龍……?」


すると龍は、ひとり言のように呟く。



「まったく……勝手な事ばかりいいあがって……」


そう呟く龍の背中が頼りなくて、儚げで……


「龍……なにがあったの……?」


あたしは静かにそう聞くけれど、

龍から返ってくる言葉は、あっけなくて……


「お前には、関係のない事だ……」


全然、龍との距離が縮まっていなかった事を痛感する。