冷酷な彼は孤独な獣医

あたしが強い口調でそう言った瞬間、

入口の戸が開く。



ガラガラガラ



………龍



龍は真顔で瑞樹さんに話す。



「瑞樹!そいつは俺が拾った捨て猫だ!

勝手に触れてんじゃねぇ!」


「龍……」


あたしが呟くと、瑞樹さんが小声で言う。


「ほらねっ」



そして、瑞樹さんはあたしをそっとおろすと、

いつもの口調で龍に話す。


「まったくタイミングがいいねぇ龍は。

本当、かっこいい。

あっ!タイミングが悪いのかっアハハッ」


龍は瑞樹さんから目線を外し、

鋭い目であたしを見る。


「帰るぞ!」


龍は、あたしの手を強く握るとそのまま外へ出た。