冷酷な彼は孤独な獣医

瑞樹さんは少しうつむく。


「龍も龍だよ。

………あたしが家を出て行った時は、探してくれなかったのに」


あたしは、あの日の事を思い出した。


龍にキスをしようとしたあの日。


龍に責められ、あたしは家を飛び出した。



「龍は、理央ちゃんを探したさ」


瑞樹さんが静かに話す。


「えっ?」


「龍、その日俺の所に来たよ。猫が家出したって言って」


「嘘……

でも!あたしが家に帰ったら、全然平気そうな顔で笑って…」


「龍はそういうヤツだよ」


瑞樹さんはほほ笑む。