冷酷な彼は孤独な獣医

あたしは龍に電話を掛けようとするも、

充電が切れている訳で……


ベンチから立ち上がると、

公園の時計を見に行った。


時間は6時50分。

あたしが此処にきたのは6時。


段々不安になってきたあたしから、

さっきまでのドキドキ感は消えていた。


でも、龍を信じて待っていた。


龍……早く会いたいよぉ……


どんどん押し寄せる不安の中、

家に戻ろうか考えていると、

後ろの方から足音が聞こえてきた。


龍!


勢いよく振り返ると、そこには瑞樹さんの姿。


「瑞樹さん…」


瑞樹さんを見た瞬間、龍が来ない事はわかった。


瑞樹さんは、複雑な顔であたしの所へくると隣に座る。


「ごめんね理央ちゃん…俺で」


「龍……は?」


「龍は来ないよ」