冷酷な彼は孤独な獣医

別に、ショックでもなんでもなかった。


ただ、今の自分を2人に見られるのが嫌で、

あたしはその場から立ち去った。


それから、雨に打たれ行くあてもなければお金もないあたしがたどり着いたのは、龍の家の前で………


「どうしよう……」


家に入って行く事も出来ず階段の前にしゃがむと、

膝に顔をうずめため息をついた。


「はぁ……」


すると、ベランダから龍の声が聞こえてきた。


「猫は、放っておいても戻ってくるって言うけど、

あれは本当だったんだな」



「えっ!」


その場に立ち上がりベランダを見ると、

龍が半笑いであたしを見ている。