冷酷な彼は孤独な獣医

街を彷徨い、気が付くと辺りはすっかり暗くなっていた。


ずっと歩き続けていたあたしの足は限界で、

近くにあったベンチに座ると背もたれに寄り掛かる。


「はぁ……」


それから少しすると、

急に風が強くなり雨が降り出した。



「本当、最悪…」



ベンチから立ち上がり走りだすと、

向かい側にコンビニが見え、

一組のカップルが雨に打たれ、笑いながら走って入っていくのが見えた。



「あっ…」



そしてそれは、涼太と明日香だった。


涼太は、入口のすぐ近くに置いてあるビニール傘を一本取り出すと、

明日香となにかを話しレジに向かう。


「なんだ……別れたって嘘だったんだ………」