冷酷な彼は孤独な獣医

あたしはどうしても複雑で、

証拠が出てきたからといって喜べなかった。


「……なんか、複雑で。

これを桐島さんと龍に見せた時、

2人はどうなるのかなって考えると、

少し怖いっていうか……」


そう言って下を向くあたしの顔を、

瑞樹さんが真顔で覗き込む。


「駄目だよ理央ちゃん、弱きになっちゃ。

そんなんじゃあ、自分を守れないよ」


「そうだよね……でも……」


「じゃあどうするの?

俺は別にどっちでもいいんだよ。

このカルテを元に戻して、

龍に適当な事言って、出前の皿を持って帰ってもいいし」