冷酷な彼は孤独な獣医

薬を間違えたのだってそうだ。

動物に飲ませても安全なサプリメント。


大事に至らない程度に抑えられたミスは、

少し不自然な気がした。


あたしはテーブルの上に伏せ、深いため息を付く。


「はぁ……でも、証拠がない。

あんなに確認したのに薬を間違えたのは、

たぶん桐島さんが偽のカルテを作ってあたしに渡したんだろうけど、

そのカルテは当然すでに破棄してると思うし、

その他のミスだって絶対に証拠は残らない……

それに、お金の事だって……」


瑞樹さんは、静かな声で話す。


「そうだね……憶測でものを言っても、

龍には聞き入れてもらえない……

決定的な証拠がなきゃ……」