冷酷な彼は孤独な獣医

家に帰ると、龍は夕食の準備をする。


「ねぇ龍?」


「ん?」


「あたし、家に帰りたくないんだ」


「…………」


龍はなにも言ってはくれない。


「あのねっ、あたし一人っ子でね。

昔からずっと、両親にガチガチに縛られて生きてきたの。


自由なんてほとんどなくて、なんでもかんでも親が決めて……

あたしがなにかしようとすると、

必ず反対してきて。


でも確かに、親の反対を押し切って、

上手くいった事なんてなに一つなかったんだけど……

失敗する度に「だから言ったでしょ!」って言われて……

その言葉が嫌いで嫌いで」