冷酷な彼は孤独な獣医

渡辺さんは顔を上げると優しい笑顔であたしを見て、

そして泣きじゃくるあたしの背中を摩ってくれた。


「すみません……」


「ううん、ありがとう理央ちゃん。


理央ちゃんがそんなに泣いてくれたから、

何だか私はもう大丈夫みたい」


そう言って、渡辺さんは笑った。





ペットを失った飼い主さんに慰められるなんて凄く情けなくて、

それなのに渡辺さんは、あたしに何度も「ありがとう」と、言ってくれた。