冷酷な彼は孤独な獣医

「うわっ」


「俺その時、このピンチから龍を救ったら、

自分の中の劣等感から少し解放される気がして、

それで龍を殴ったヤツを蹴り飛ばしたんだ。


そうしたら、他のヤツが俺を殴って来て、

やり返そうと思ったらナイフで……」


瑞樹さんは顔の傷を人差し指でなぞる。


あたしは顔をしかめた。


瑞樹さんは話を続ける。



「顔をナイフで切られた俺を見て、

龍なんて言ったと思う?」


「…………」


あたしは首を傾げた。