冷酷な彼は孤独な獣医

「その事……龍は知ってるの?」


「うん、知ってるよっ」


「それであの時………」


あたしは、前に龍の兄が絵画展のチケットを渡しに来た時の事を思い出した。


あの日、あたしは初めて龍が人を怒鳴った所を見た。


いつも龍には余裕があって、でもその時はまったく余裕がない様に見えた。


あの日、龍の兄が言っていた言葉………


「もう、俺達の事認めてくれないか?

お前がいつまでもそうだから、俺達はお前に遠慮して……」


あれは、美紀さんとの事………。


「理央ちゃん?」


「ん?」