冷酷な彼は孤独な獣医

あたしは、犬を抱えたままその場にしゃがみ込んだ。


そんなあたしに、彼は冷たい口調で話す。



「あのな、たまたま見かけた犬が足をケガしてたからって、
善人ぶって金もない癖に、
病院なんかに連れて来るな」



「なによそれ………

普通、目の前にそんな犬が居たら、
助けてあげたいって思うでしょ!

見捨てる事なんて出来ないでしょ!」


「結果、何もしてやれなかったんだから、
見捨てたも同じ事だろ」


「何もしてやれなかったって………

アンタがあたしを信用して、
薬を出してくれればいいだけでしょ!!

それに!!

普通、獣医なら動物を助けるのは当然の事でしょ!!」