冷酷な彼は孤独な獣医

するとそこは、随分殺風景で

どことなく寂し気な雰囲気だった。



もっと、いろいろ小物置いたりとかすればいいのに……

まぁ、あの不愛想獣医らしい空間かっ。



そしてそれから20分くらいすると、

獣医は犬を連れて診察室から出てきた。



さっきまでTシャツ姿だった彼は、

すっかり獣医らしい服装になっている。




こう見ると、先生って感じだけど………

っていうか……かっこ良すぎる………



あたしは一瞬、彼に見とれてしまった。






「ねぇ、その子の足治る?」


あたしがそう言うと、獣医は犬をあたしに渡す。


「その足は、生まれつきだ」


「えっ?じゃあ、治らないの?

どこが悪いの?」


「コイツの足は、膝蓋骨脱臼って言って、

これは小型犬に多くみられる症状だ」