目を開けると、白い箱の中にいた。 クーラーボックスが、相変わらず重い。 「釣りすぎた…」 と言ったつもりなのに、声が出なかった。 急に体が軽くなった。 目の鋭いお兄さんが、私の顔を覗き込んだ。 「坂下…!?」 お兄さんが、慌ててどこかへ行った。