焼き場には、アサちゃんの女将さんが付き添ってくれた。 「おでやがな、寝顔でねぇか」 涙を拭きながら、女将さんが言った。 私は土壇場で、棺にしがみついた。 「まだ焼かないで!…お願い…うちを最後に…してください!」 焼くなら私ごと焼いて欲しかった。 女将さんが背中を撫でた。 「お父ちゃんも早ぐ帰りてぃでねのかい。 体は生ぎてる内は良いけんども、はぁ、こうなってすまうと邪魔ぐさいもんだなやって言うてるズ」