まだ何とかならないの? 今なら戻れないの? 誰かに言えば、助けてくれるんじゃないの? そんな言葉が、口まで出掛かった。 ゴウが、うつむきながら震える声で言った。 「オカンが…謝ってくれたんよ。 『ゴメンナサイ』って。 『前はアンタの事、守れへんかった。 我が身のことしか、考えてへんかった。 許して』 て。 『また一緒に暮らしたい』って。 せやから… せやから…ウチ… オカンのとこに…行こ思うねん」