少し見えた横顔は、 歯をくいしばって、 目に涙をうかべていた。 「はじめから、私は 彼だけが好きだったの。」 俺の目をみてゆっくりこたえる。 俺は手を緩めた。 「俺、嘘は嫌いだ……。」 「じゃあ、優は 私のこと嫌いだね。」 俺は何も言えなくなって、 いくは出て行ってしまった。