私は黙ってその場を見守ることしかできない。 「実はこいつは、見た目以上に相当腕の立つ奴なんだよ。お前たちが想像しているより何万倍も……な」 覚悟は、透哉と連れだってここへ来たときからできているのだ。 私はこれから、川崎組の連中へと大きなケンカを挑もうとしている。 「……」 「……」 極道の男たちは、もう何も言わなかった。 ただ、これだけはわかっただろう。 私が……社家を守り抜けるかどうかの、大きなカギになると。