『お前、このことに何か心当たりはないか?』 「ない……全然ないよ」 一条龍の問いかけに、首を何度も横に振る。 この町に来て関わった組織といえば、『龍』と『嵐』のふたつだけ。 『そうか。なら……お前を探している連中っていうのは、お前んとこの社家の人間じゃないのか?」 え?社家の人間が? 「それは、絶対にないと思う……」 あいつらが、今さら私のことを探しているはずなんてない。 私は完全に家との縁は切ったはずだし、そもそも私をあの家から追い出したのは律子だ。