え……
「だから今、あいつはすぐ隣の高校に転校してまで『龍』の頭に立ってる」
昨日……どうして美都場が一条龍に対してあんなに敵対心を抱いていたのか、わかったような気がした。
元親友と最強の組織の一員となり、しかしながらも唐突に姿を消され……
せっかく再会できたのに、言われた言葉が『お前と一緒の族には、入りたくなかった』……。
美都場からしてみれば、これ以上の裏切りはないと思う。
「美都場……」
なんと声をかけていいかわからず、名前だけを呼んですぐ隣の美都場を見てみる。
だけど……
「……」
長めの前髪で、表情は見えなかった……。
どうしよう……
美都場のつらい過去を掘り起こすような、嫌な質問を私は言ってしまったのかもしれない。
いくら気になっていたとはいえ、美都場が哀しい思いをすることになるなら、聞かなきゃよかった…。
本当はもう一つ、美都場に聞いておきたいことがあったけど……なんだか言葉を発せられる雰囲気じゃなくて、押し黙っていたときだった。
「まあ……ずいぶん前の話だし、特に気にすることでもないよな」

