極道一家のマヤ




私の問いかけに美都場が答える。


「中学校の頃に約束したんだ。いつかふたりで、絶対に大きな族の組織を作ろうって……それは実現になったはずだった。高校生になってすぐ、オレと龍は『嵐』の仲間になったんだ」


それは、きっと……美都場がまだ総長を引き継ぐだいぶ前の話のこと。





……あれ。ちょっと待ってよ。


『高校生になってすぐ、オレと龍は『嵐』の仲間になった』って、それって……


「一条龍は……もともと『嵐』のメンバーだったってこと?」


「そうだよ」


私の驚いたような言葉に美都場が頷く。


「でも、それから2カ月後……あいつはオレに何の相談もなしに『嵐』の仲間を辞めていった」


「え……?」


「学校にも来なくなって、オレの前から忽然と姿を消したんだ。メールの返事もないし電話も出ない。家に行ってもそこは龍の家族共々もぬけの殻だった」


「引っ越ししてた、ってこと?」


「それを知ったのは、更に1カ月近く経ったころだったよ」