極道一家のマヤ




「マヤ…」



心配するような杏奈の声…。







これを腕にはめれば…



私は『龍』の一員になれる…。



さきほどまで、どれほどこの瞬間を夢見たことか…。



「…。」


「はめろ、マヤ」



躊躇することなんてない


ない、はずなのに…






―カタカタ…



腕輪に伸ばそうとする指先が……震える。






私は…


何を戸惑っているんだろう?


ナンバー2とはいえ、最強の暴走族の一員になれるというのに…

今では急激に成長してきて、いつかは『嵐』を超える可能性があるような、無敵の組織の仲間になれるというのに…




手が…思うように動いてくれない。