彼女のおかげで… 何かと知ることができた。 決して、自分にとって嬉しい事実ではないけど… 園田 桜を、校内で知らない人はいない。 美都場と春野とは、小さい頃からの幼馴染み。 そして… 美都場が自分から話しかけるのは…桜だけ。 付き合ってはいない。 それを知って安心する一方で… 『まだ付き合ってないって言う方が不自然じゃない?』 心が、揺れる… 切なく痛む心に、私は気付き始めていた。 美都場… 同時に、考えもしなかった。 ある、黒い影が… 自分へと、忍び寄って来ていることに―・・