「いけないっ」 パッと放される右手。 「私、移動教室だから行かなきゃ」 筆箱を持っていたのは移動教室だったからか、と納得する。 「それじゃ、またね!マヤ」 「うん。また」 パタパタと走っていく桜。 私も体の向きを変えた。 ほんとに… 顔も性格もいい子だな…。 そんなことを考えながら、廊下を歩いていたときだった。 「あ!嵐」