「ダメじゃないか、雛。こんな危険な物を、他人に撮らせちゃ」
「……」
「……」
「危険!?」
「まずそこをツッコむのね、あんたは」
わ、私の高校時代がそんなに危険だなんて、それを紫暮さんに見られるのも恥ずかしさでーーって。
「紫暮さん!?」
「そうだよ」
「クールな返答なのに、肩が笑っているわよー」
「雛が愛らしくてつい、和んだよ。指先がプルプルしている君と同じく」
「な、なんで、紫暮さんがっ。今日は仕事じゃ」
「外回りの営業でね。たまたま雛の姿が見えたから、来てみた」
「その『たまたま』は、いったい何時間前の話なのかしら」
「仕事に支障が出ない範囲」
スーツ姿の紫暮さんに見惚れる前、隣に座られる。相席いい?と、聞いても、紅葉ちゃんはむすーっとして答えないので、私が横にずれてのことだ。
「ヤンデレは好きだけど、雛のことも好きなのよね」
「なら、こうして並んでいれば、目の保養になると思うのだけど」
「娘はやらんっの心理が働いているわ」
「俺がいかに雛のこと大事か話して、認めさせるよ」
「あたしが納得するような話を持って来るのなら、考えなくでもないわねぇ!」


