真面目君と嘘つき女

「咲来さんあれ行きましょう」

「はい」

「咲来さん、次はあれ行きましょう」

「はい」


そんな会話がまた繰り返されていた。


そしてそろそろ終わりの時間。

「咲来さん、最後に観覧車乗りましょう」

「……はい」


最後。

もう楽しい時間は終わり。


楽しい時間は短いくせにつまらない時間は長い。

逆だったらどれだけ望ましい事か。