真面目君と嘘つき女

好きじゃないのわかってるのに、少しくらいは…なんて…。


「なに、嫌なの?」

「……行きます」

「わかりました」


笑って前を向いた彰さんにやっぱり少し期待してる自分がいるけど、彰さんにはあの女がいるんですよね。

そう思うと涙が出そうになったから窓の方を向いて頬杖をついた。


昔の私なら、ムカつく奴がいたら簡単に脅したり傷付けたり……殺したりしたのにな。