真面目君と嘘つき女

止まって止まって止まってとまってとまってトマッテ。


「好きですよ、咲来さん」


涙を無我夢中で拭っていたら彰さんに抱きしめられ耳元でそう言われた。

この人は酔ってなくても私の気持ちを弄ぶんですね。


私の好きは本当の好きなのに彰さんの好きは違うんだ。

私の好きと彰さんの好きは違う。


「本当は覚えています。あなたに好きって言った事。ああいう形でしか言えない俺は情けないですよね」