真面目君と嘘つき女

「かっこいい……」


そう言ったのはあののんきな大島 翼さんだ。

……かっこいいの?これ。


「さすが咲来さん。お見事です」


「ま、まあいい。俺達がようあんのは翼だ」

「……総長。俺は抜けさせてもらうと言ったはずです」


これは私が思っていたよりもここは色々あったらしい。


「紅蜘蛛の総長さん。あなた達が仲間を入院するまでに大怪我をさせ、未だに目を覚まさない人もいます。そしてそれが原因で龍桜の総長……舞蝶もいなくなってしまいました。そんな人達にその人を渡すわけにはいきません」

「それなら俺達の仲間だって龍桜の舞蝶さんにボコボコにされたぜ?」