真面目君と嘘つき女

その瞬間男は「やれ」と後ろにいたやつに言った。

……その「やれ」はもしかして、いや、もしかしなくとも殺れですかね。


「あらら」


気付いて声に出した時にはもう私は男たちに囲まれていた。

全員30代後半に見える…。


「咲来さん!」


昌さんが珍しく焦っていた。

まあ、人が目の前で殺されかけていたら焦るよな。


「お嬢ちゃんどこから刺してほしい?」