真面目君と嘘つき女

「……あー、あのバカな連中」


つい私は声に出していってしまった。

その瞬間あたりは一瞬時が止まった。


「お嬢ちゃん?バカとは何かな?」

「いや、だって紅蜘蛛って紅に蜘蛛でしょ?それでレッドスパイダーって…と思って。赤蜘蛛ならレッドスパイダーってわかるけど……」

「お嬢ちゃんの方がバカじゃないかな。お兄さんたちはねちゃんと勉強してて、紅ってあかともいうんだよ」

「バカにしないで、それくらい知ってるわ。でも辞典を見なさい辞典を。redで調べたら「赤。赤色」ってでるはずよ。どこを見ても「赤(紅)。赤色(紅色)」とは書いてないはずだわ。それに私はあなたにお嬢ちゃんなんて言われる筋合いないの。お兄さんたちとか……断言する、どう見たってお兄さんって言える年齢ではない!!」


時が止まった次はシーンとした。

まあ、普通は時が止まる=シーンだと思うのだけれど。


「おい、小娘。こっちが下手に出てりゃいい気になりやがって俺らは18だ」

「あら、私より3歳上なだけじゃない。あなた顔面いかつ過ぎなんじゃない?30代後半に見えるわよ」