真面目君と嘘つき女

「す、すす、好きだなんてそんな!」


そう言ってこっちを向いた彼女は顔が真っ赤で恥ずかしいのか少し涙目にもなっていた。

久々に見た彼女の顔は最後に見た時よりも少し痩せていた。


それでも元気そうでよかったと思ったのは本音だ。


「……正直わかんなくって」

「ん?」

「私前までは彰さん……昌さんのお兄さんの方が好きなんです…好きだったハズなんです」

「ハズってことは今はその彼のことが好きなの?」