真面目君と嘘つき女

「咲来さーん」


私の呼ぶ声が聞こえた。

あの声は多分昌さん。


…………バイク?

昌さんであろうその人はバイクを乗ってこちらに向かってきていた。


「遅い。とりあえず後ろ乗って」


時計を見ると15分も過ぎていた。


「あの、ヘルメットは……?」

「ん?ないよ」