そう言って笑う彰さんはやっぱりあの女とは違う笑顔で笑う。


「やっぱり違うんですね…」

「え?」

「いえ、こちらの話です」



笑ってはみるもののうまく笑えない。

それでも悟られない様に私はすぐに自分の席へと戻った。


隣の席だから手を伸ばせば届くんだけどな。

でも伸ばせない。