『はい、とってきた』
「お、さんきゅー」
俺が差し出したものを見ると驚く将生。
「俺、コップと割り箸たのんだ?」
『あぁ、それならヒカ...え?』
後ろを振り向くと、ヒカルの姿はない。
「おい、流、お前気が利くようなったな」
『いや、ヒカ...』
俺の言葉を無視して話し出す。
「バーベキューは、大皿と中皿が必要なんだ
理由はな、とりわけ皿が中皿、焼いた肉とか
野菜をまとめるのが、大皿、それんみんなで
つつくんだよ。そして、紙コップじゃなくて
プラスチックを選んでるし、割り箸まで...
流のくせにやるじゃねーか。」
はぁ、めんどくせーな。
ヒカルが選んだなんて今更ゆうのめんどくせー
「ヒカルも流のくせに、って思うだろ?」
そういって、俺の後ろに目を移す。
俺がふりかえると、笑顔で笑っていた。
けーたいをとりだして、なにかを打つ。
ながれくんさすがだね
プラスチックのコップとわりばしまで
ひつようなものをぜんぶわかってるね
そう、書かれていた。
『あ、えーと?』
すると、ヒカルは俺をみて、しーっ。と
人差し指を口にあてた。
「おーい、将生、肉どれがいい?」
将生は呼ばれて、はいはーい、と走って
いってしまった。
ヒカルはまた、文字を打つ。
おこられなくてよかったね(^-^)v
ーーーーーっっ!
そうだ、あの時、将生が俺に
怒ったように見えたヒカルは誉められるよう
わざわざ俺に教えてくれたんだ。
なんだよ、将生は本気じゃねーのにな。
でも
『ありがとな、ヒカル』
ありがとう、なんて、全然ゆわない俺が
自然にありがとうと言えた。
ヒカル相手でも、言った後
すごく恥ずかしくて、そっぽを向いた。
すると、俺の右の人差し指を
軽くヒカルがひっぱる。
右下を見ると、上を見上げて、満面の笑みで
笑っていた。
そして、どういたしまして。とお辞儀をした。

