俺がヒカルに近づきカツラをとり

髪の毛の乱れをととのえてやってたら


将生と康平はたわしで机をこすり

龍と新は背中にはられた紙や投げられた紙くず

を拾った。




そして、全て、ゴミ箱に捨てた。





『大丈夫か?』





ヒカルは力強くうなずいた。





『そうか、ならよかった』


「あのな、ヒカル」




将生はヒカルの肩に手をおいた。




「俺達は友達、遠慮とかいらねぇかんな」




ヒカルは口パクでありがとうとゆった。




『これからは友達だし、登下校一緒な?』




嬉しそうにうなずくヒカル。



『それから、休み時間も俺らと一緒にいろ』



また嬉しそうにうなずく。













友達だから一緒にいるのは、

まぁ、確かにそうなんだけど、俺がヒカル


といたい理由は、心配だからだ。




無理するんじゃねーかって。


また、こんなことになるんじゃないのか。



なにも悪くないヒカルが苦しむ必要はない。








そうだろ?







ヒカルだってな


俺らと同じ様に毎日、毎日、頑張って

生きてんだよ。



辛いことも、楽しいことも、ある。



逃げたり、立ち向かったり、できる。




ほとんど、一緒なんだよ。




ただ、ヒカルが少し周りと違うだけ。


他はなにも変わらない。


ひとりの人間なんだよ。








なんでお前らはわかんねーの?



ひとの苦しみをわかってやれねーの?



自分が幸せに産まれたから


不幸に産まれたひとを笑うのかよ?




それって、幸せに産まれた意味あんの?






なぁ、考えてみろよ。






周りのことを。


みんなのことを。