「なんで、ちびちゃん泣いてるの?」




ヒカルは美夜を見つめながら

鼻水をたらし、涙を溢れさせていた。





「ヒカルどうしたんだ?」




新と将生と龍は、ヒカルに近づく。





ヒカルは泣きながらなにかをいっていたが

それはあまり良く聞き取れなかった。





けど、俺はなんとなくわかった。











ぼくのせいでこんなにけがしてるんだ。


ぼくはこんなちいさなけがでなきそうに


なるのにみよちゃんはわらってる。


みよちゃんごめんなさい。


ぼくのせいでごめんなさい。
















そういっていた。






美夜はさっぱりなにをゆってるか

わかっていない。












『ヒカル、違うだろ』








俺がそうゆうとヒカルは俺をみた。






なにが違うの?





と目でうったえていた。

















あのなぁ、ヒカル。











『お前が美夜にゆわねぇといけねぇのは』









違うだろ?









『それじゃねぇだろ』







ごめんなさいじゃなくて



ケガがどうとかじゃなくて



泣くとか笑うとかそうじゃなくて








『ほかにあるだろ?』






















ほら、お前が




伝えたい言葉は、ほかにあるだろ。
















誰もを笑顔にできるような









「みよ..ちゃ...ん」









お前の綺麗さや素直さを示すような









「あ、あり...が..とう..」









言葉が。










きっと






ヒカルは一言口に出すのが精一杯


だったのかもしれない。





ヒカル、俺には聞こえたぜ。



涙と鼻水をながしながら美夜を見つめて

言葉にならない声を出しながら、


きっとヒカルは心のなかで

何度も何度もくりかえしていた。







“ ありがとう ”