南米里病院の前についたとき


車にクラクションを鳴らされ驚いたヒカルは

コンクリートの割れ目にひっかかり

膝をだいたんにすりむいてしまった。



泣きそうに、でも、泣かずにこらえるヒカルを

俺は抱き上げ、おんぶした。




病院のなかで適当に手当てしてもらう。

そう考えていた。









自動ドアに行く少し前に




「ありが...と...う」




耳元でひかるの声がきこえた。




『ああ、お前はありがとうが上手だな』




俺はありがとう。なんてまともにいえねーよ。

ヒカルをちょっと尊敬する。





俺たちは病院の中にはいっていった。