笑ってほしい





終礼が終わって
一番に校舎を出て
誠司の待つ校門に
一直線。


誠司はすでにそこにいて


「おっ、はやいな。」


なーんて笑ながら言って
さりげなくバックを持ってくれた。


「ありがとお。」

うれしくて、はずかしくて
下を向いたまま
聞こえるか聞こえないか
ぐらいの大きさでいった。

「はいよ。」


そんな声も誠司は
ちゃんと聞き逃さずに
ひろってくれた。


「今日車なんだけど大丈夫か?」


そう言って
誠司は後ろに停めてある
車を指した。


少し大きめの黒塗りの外車。
誠司によく似合った
かっこいい車。


「全然へいき!」


「よし。じゃあ行くか。」

そう言って
助手席のドアを開けてくれた。


「お邪魔します。」

なんて言っていいか
わからないから
そんなことを言ってみた。


「いらっしゃいませ。」

誠司も返してくれた。
随分今日はご機嫌な様子。


「どこ行くの?」


誠司がドアを閉めてくれて
運転席に座ったとき
私は聞いた。


「内緒。」

誠司はニヤっと笑って
車を発信させた。

車の中では
学校のこととか
誠司が内定をもらってる
会社の話とか
いつもと変わらない会話をした。


そしていつの間にか
外は真っ暗。
一時間ぐらい車を走らせて
誠司が「もうすぐだよ。」
と言った。