笑ってほしい




「薫乃、お前大丈夫か?
なにもされてないか?
おれ間に合ったか?」

誠司は自分の上着を脱いで
私の肩にかけてくれた。

そしてぎゅと抱きしめてくれた。

私はなんだか誠司のぬくもりに
安心して泣きそうになった。

でもがんばって耐えていると
誠司が私を離して顔を見て
殴られた頬をさわってから
また抱きしめて言った。

「痛かったよな。
泣いていいから。
今はなんにも我慢しなくていいから。
もお大丈夫だから。」

そおいいながら
さっきよりも強く抱きしめてくれた。