恋に落ちて。







せっせとペンを走らせる中山口くんは、外へと視線を投げていた。



「ねぇ山口くん、やっぱり帰っても―――」

「片桐」




私の言葉を遮った山口くんは、真っ直ぐ私の瞳を見つめる。目を、逸らせなくなる。


(な、に…)



私の手は止まっていた。



ただ、彼の真っ直ぐな瞳を見ていた。


なにかを言いたげな山口くんは、なんだか困ったような顔をしていて。私は言葉の続きを待つだけ。





「山口く、」